日米の両カリスマ経営者に共通する成功哲学、仕事観とは。
松下幸之助とスティーブ・ジョブズ。一人は「経営の神様」、もう一人は「最高のCEO」と称された日米の伝説的経営者である。この二人はいろいろな点で、共通する生き様と成功哲学を有している。
第一には親のコネも、学歴も、カネもない。事業家としては最悪の条件から身を起こしたことである。
幸之助は1894年、和歌山県の比較的裕福な小地主の末っ子として誕生。だが、父親が投機で大失敗をし、幸之助が4歳のとき、家は資産すべてを失う。9歳になると、家計を支えるためでっち奉公に行くことになり、小学校を中退し大阪に向かった。船場の自転車店で5年の奉公、大阪電灯で7年の工員生活を経て、23歳で松下電気器具製作所を創業。幸之助の手元にはわずかな資金だけで、すでに両親は亡くなり、あるのはやる気だけだった。
ジョブズは1955年、非嫡出子として生まれた。養父は機械工などをしていて、ジョブズは機械いじりの手ほどきを受ける。少年時代のジョブズは勉強が嫌いで、悪ふざけをしては教師を困らせる問題児だった。高校を出るとリード大学に進学したが、6カ月で中退。原因は授業料の負担にあり、「親の少ない稼ぎを高い学費に充てる価値はあるのか?」と自問した末の決断だった。その後、アタリ社でふまじめな社員として働いていたとき、5歳年上の友人スティーブ・ウォズニアックが開発したマイクロコンピュータを見て、「商売になる」とひらめいた。そして21歳のとき、アップル社をたった1000ドルで創業。カネなし、コネなし、学歴なしの船出だった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら