没後27年経っても、毎年10万部という驚異
今も売れ続ける松下幸之助の磁力
ビジネス書の浮き沈みは激しい。諸行無常である。
過去10年を眺めただけでも、投資本の熱狂が過ぎたかと思えば、茂木健一郎本、勝間和代本のブームが起こり、『もしドラ』が爆発的に売れ、最近では『まんがでわかる7つの習慣』など古典の漫画版が流行りだしている。
そんな中、どこ吹く風とばかりに上位に入り続けている書物がある。「経営の神様」と称される松下幸之助の著書である。
代表作『道をひらく』は、1968年の初版以来、着実に発行部数を伸ばしてきた。2002年に400万部だったのが15年5月520万部を突破。今月も増刷が予定される。
これほどの長期にわたり、年間10万部のペースで売れ続ける著者は幸之助を除いていない。14年には『ハリー・ポッターと賢者の石』を超えて発行部数が戦後2位に。580万部の『窓ぎわのトットちゃん』を抜き、首位になる日も近そうだ。
「トットちゃん超え」も視野に

『道をひらく』以外にも、幸之助には50万部超の著書が6冊ある。こうした事実に、幸之助を読まない人は困惑するに違いない。いったいなぜ、こんなに売れるのか──。
日本の家電産業は韓国、中国勢に敗れ去った。幸之助が創業した松下電器産業(現パナソニック)も往時の勢いを失い、ようやく経営再建のメドがついたばかりだ。彼の提唱した「水道哲学」は、大量生産時代の終焉とともに、思想としての役割を終えたとも批判されてきた。
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