バイヤーかぶれの僕を変えた「世間は正しい」という言葉
1994年、23歳のとき、地元・岡山で会社を設立する前月に本屋に寄ってたまたま手に取った本が『商売心得帖』だった。
松下幸之助さんの本だというのは、まったく意識していなかった。当時は経営のことがわからず、参考になる本を読まなきゃと思っている中で、タイトルが「ちょうどいいな」と思っただけ。本を開くと大きな字でね。目次を見ると、各論で歯切れのいいことが書いてある。
最初に読んでヒントを得たのは「総合病院と町のお医者さん」という章。町のお医者さんはフレンドリーに話をするが、総合病院は機械的にお客さんをこなしていく。どちらがよいということではなく、「あなたはどっちを選択するのか?」という問いかけだった。僕は当面、町のお医者さんで行こうと考えた。徹底的に接客型のお店にする、「石川商店で行こう」という気持ちにさせられた。この本に出合わなかったら、妙に大きな会社のまねをして中途半端なお店にしてしまっていたかもしれない。
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