7月末の日曜日、東京都内の会議室に6人の女性が集まった。目的は女性限定の松下幸之助本読書会「松下幸之助女子会」である。どんな人が参加しているのか、話を聞いてみた。
参加者の1人、40代のAさんは大学卒業後、大手百貨店で25年働いた末に退職。今は第2の人生として温灸関係の仕事で開業すべく準備を行っている。
Aさんにとって松下幸之助の著書は、ずっと父親の書棚に飾ってあったビジネス書の1冊にすぎなかった。しかし6年前に父が逝去。その遺品を整理する中で書棚にある『道をひらく』を開いた。
その言葉はAさんの心に強く響き、読みだすと涙が止まらなくなったという。
ちょうどその頃、Aさんは仕事で行き詰まっていた。勤めていた百貨店は再編の影響もあり仕事内容が激変、「これまで大事に育ててきたものを否定されたような思いも経験した」(Aさん)。
仕事をしながら、3人の子どもの母親としての役割もこなしていたが、加齢とともに気力だけでは乗り切れなくなってきてもいた。ある日の開店前、ついにAさんは倒れ、病院に運び込まれた。それから自分は何のために働くのか、定年まで会社に勤めるべきか悩み続けたという。
『道をひらく』との出合いはそんなときだった。「幸之助さんはどんな人でも人生は天与の尊い道だと言った。いい経験も悪い経験も、すべて尊い道と受け止めたうえで自分だけの一歩を歩めばいいと気づき、心が軽くなった」。
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