幸之助は、成功を引き寄せるには、素直な心が最も重要と考えた。素直な人ならば失敗にも謙虚になり、主体的に学び続けることができ、都合の悪い情報や、部下の声に耳を傾けられ、よりよいサービスにつなげられるためだ
[質問1]
幸之助はきれい事ばかり。実社会で通用するの?
私が言いたいのは「きれい事を否定してひねくれて生きる人よりも、きれい事を素直に肯定して貫いた人のほうが実社会では成功する」ということです。
現実社会は複雑だから変化球を投げなければ勝てないと思いがちです。しかし変化球を投げて生きる人よりも、ど真ん中に速いストレートを投げて、真っすぐ実力をつけた人のほうが、うまくいくことが多いのです。
逆にまずいのは、環境変化に直面しても何も学ばない人、失敗しても他人のせいにして、反省しない人です。こういった人はだいたい前者の、ひねくれた変化球の人なんです。
もしあなたがよりよく生きたい、成長したいと考えるならば、ひねくれる心を封じて、一度真っすぐに幸之助さんの言葉を受け止めてみてはいかがでしょう。
[質問2]
何を最も重視したの? 思想の全体像が知りたい
幸之助さんの考えのベースにあるのは「素直な心」です。
「素直さ」とは、従順で流されやすい人になれということではありません。物事をありのままに見つめて、本質をとらえることで、正しく判断する力を持つ大事さを説いたものです。素直な心があれば、人は謙虚になり感謝や反省ができます。失敗を他人のせいにせず、成功に驕らず、自己を高め続けられます。
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