ソニー創業家の嫡男は最後の砦からもついに放逐されてしまった。昨年12月9日、故・盛田昭夫氏の長男、英夫氏(63)は東証2部上場企業、ジャパン・フード&リカー・アライアンス(JFLA)の会長を辞任した。過去、数々の大型投資に失敗し、一族の財産を食い潰してきた同氏にとってJFLAは残された本丸。しかし公私混同による不祥事が発覚し、とうとうそこからも追われる結末となった。
疑惑が持ち上がったのは昨年夏のことだ。監査法人が会計監査の作業を進める中、ある貸付先をめぐる資金移動が問題視された。貸付先は飲食会社「モリタフードサービス」。2012年当時、英夫氏が米国ハワイの資産管理会社を通じ全額出資する個人会社だった。同年9月末時点でJFLAは2億4600万円を貸し込んでいた。
同年10月9日、モリタフードは一部事業を同業の「子(ね)の日(ひ)」に譲渡、代金3億3000万円を受け取った。JFLAによる貸し付け条件は不明だが、本来ならその時点で返済を求めてもよいはずだ。しかしわずか6日後、モリタフードは受取代金の大半、2億6000万円を英夫氏が代表取締役を務め実質支配する資産管理会社「盛田アセットマネジメント」に貸し付けてしまった。
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