ソニーが企業価値を大きく拡大した1970年代は、アナログ信号を適切に扱うエレクトロニクス技術を娯楽機器に活用することが進んだ。80年代はそこに小型化などのメカトロニクス技術を加え、90年代後半からは家電のデジタル化を推進。リーマンショック直前までその勢いはそがれつつも続いた。
ところがiPhoneが登場する2007年になると、ソニーが誇っていた価値はブラックホールのようにスマートフォンへと吸い込まれていく。スマホ参入が遅れたソニー製品のラインナップが今どうなっているか、説明するまでもないだろう。
しかし、その価値が完全に失われたのかといえば、そうではない。今年1月初旬に開催された米家電見本市「CES」で、平井一夫社長は「成熟した製品分野においても持続的イノベーションは可能である」と話した。確かに成熟した領域が多いソニーが、事業でどのような独自性を出せるのかは大きなテーマだ。ここでは五つの製品をピックアップして、その製品力を点検してみよう。
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