業績不振に苦しんでいたソニーのパソコン(PC)事業を投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が買収、新会社として発足したVAIO。2014年7月の発足から1年半で再び転機を迎えている。東芝、富士通のPC事業と統合するとの観測が浮上している。東芝、富士通は「他社との事業再編は選択肢の1つ」としており、それに合わせてJIPが売却に動いても不思議ではない。
ただし低価格品から高付加価値品までさまざまなラインナップをそろえ、シェアも高い東芝、富士通(図)とVAIOでは事業の規模や構造が大きく異なる。
設立1年で社長が交代
ソニー時代のVAIOは約1100人の社員を擁する事業体だったが、現在はソニーおよび同社の製造子会社から移籍した240人体制の小さなPCメーカーだ。今期の出荷台数は30万台規模と最盛期の30分の1。拡大路線に失敗して事業売却に至った反省から、シェアは追わず、薄型・軽量のモデルなどラインナップを高付加価値品に集中。クリエーター向けに特化した製品を投入するなど特定の市場で存在感を発揮している。
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