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稼ぎ頭の映画に漂う不安 低下するシェア

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007シリーズ最新作『スペクター』。ソニーはこの作品で配給契約が切れる(ロイター/アフロ)

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エレクトロニクスの凋落に注目が集まり、相対的によく見られがちなエンタテインメント事業。だが決して安泰ではない。

ここではソニーが成長分野に掲げている映画の動向を見てみよう。米調査会社レントラックの推定によると世界の市場規模は15年に380億ドルでここ数年は右肩上がりだ(図1)。内訳は最大市場の米国が110億ドル、中国が68億ドルと続く。

[図1]
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米国の劇場興行収入におけるソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのシェアは12年以降低下。15年はハリウッドの大手映画会社6社の中で5番目と元気がない(図2)。世界シェアは不明だが、米国でのシェアの低さが世界でもヒット作があまりないことを如実に表している。007は契約満了 スパイダーマンも苦戦 苦戦の原因は売り上げの柱となる人気シリーズの少なさだ。

[図2]
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各映画会社は年間に10~20本以上を劇場公開する。基本的なラインナップ戦略は、売り上げの柱となる人気シリーズを毎年公開しつつ、シリーズ化を視野に入れた大作(アクションが中心)を巨額の制作費をかけて作り、比較的予算の低い中規模・小規模の作品(感動ドラマやラブストーリー、サスペンスなど)で1年間を埋めていく。劇場興行収入が大きければ、その後のブルーレイ・DVD販売やテレビ放映権の売り上げも比例して大きくなる傾向にあり、各社は劇場での大ヒットが見込める作品の制作に力を入れる。

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