2015年には人民元の為替レートに関して歴史に残る転換の第一歩が踏み出された。
15年の人民元の値動きを振り返ると、8月10日までの対米ドルレートはほとんど横ばいだった。韓国ウォンやタイバーツなど他のアジア新興国通貨の値動きが上下3%程度だったのに比べ、不自然なほどの膠着状態だった。
ところが8月11日に突然、人民元の基準値は前日比2%近く切り下げられた。そして、中国人民銀行(中央銀行)は人民元の対米国ドル為替レートの基準値(中間値)をより市場の実勢に合わせるため、基準値の形成メカニズムを改善すると発表した。この決定に基づいて、それまで市場実勢より2%近く高い水準に設定されていた基準値を市場実勢とほぼ同水準に設定、人民元は事実上2%近く切り下げられた。
その後の推移を見ると、基準値と市場実勢が何日にもわたって大きく乖離したままといういびつな状態は解消、人民銀行が発表したとおり基準値の形成メカニズムは改善された。
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