杭問題はなぜ起きたのか。資産価値をどう守る?購入から管理、修繕まで、マンションの新常識を徹底検証する。
「とにかく真相を究明したい」 旭化成の平居正仁副社長は、謝罪会見や調査報告会見のたびに、幾度となくこの言葉を繰り返す。
横浜市都筑区の傾きマンションに端を発した杭データ偽装問題は、発覚から1カ月半が経とうとしているのに謎は地中深く眠ったままだ。
同マンションで杭データの流用・改ざんを行った現場代理人は、今でも「杭は支持層に届いていた」と証言しているという。
「悪意を持った人がやったとしか考えられない」「実にルーズな人間だと感じた」。マンションで使われた杭の製造・施工を担当した旭化成建材の幹部は、問題発覚の当初、あくまで一人の現場代理人が行った不正であるとの認識を示していた。
しかし今となっては、それは遠い過去のことのようだ。11月24日時点で、同社が過去10年間に施工した杭工事3052件のうち実に360件でデータの流用・改ざんが見つかっている。流用などにかかわったのは約60人。当初の認識とのあまりの開きに、旭化成グループ全体に対するバッシングが起きた。
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