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ゼネコンを買収するハウスメーカーの狙い 大和ハウスは竹中に肉薄

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日本のスーパーゼネコンは5社というのが常識だ。だが、実態的には6社あるといっていい。

その6社目は、ハウスメーカーの大和ハウス工業だ。物流倉庫や量販店、飲食店などを施工する建築事業の売上高は、2015年度に1兆2318億円に達した。スーパーゼネコン5位の竹中工務店の売上高1兆2483億円に肉薄する。

08年にハウスメーカーとして初めて、大和ハウスは中堅ゼネコンの小田急建設を持ち分法適用会社として傘下に収めた。狙いはマンション事業の拡充。大阪発祥の同社は、東京のブランドを掌中に収めることで時間を買ったのだ。

大和ハウスは、創業者である故・石橋信夫氏の遺言により、創業100周年を迎える2055年度の売上高目標に10兆円を掲げる。国内で4兆円、海外で6兆円を上げる計画だが、海外展開のスピードはいかにも遅い。そこで中堅ゼネコンの中では海外に強いフジタを、13年にファンドから買収。完全子会社とした。

グループ内では、たとえば自社保有し貸し出す倉庫は大和ハウスが建て、外部顧客からの受注倉庫はフジタが建てるなど、役割を比較的明確にしている。外部売上高を極力取り込み、フジタが成長すれば大和ハウスも大きくなるという戦略だ。

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