「リニア中央新幹線の全線開業を最大で8年前倒しする」。参議院議員選挙後、安倍晋三首相はデフレ脱却に向けた経済対策を表明した。
品川─名古屋間だけで約5.5兆円、さらに名古屋─大阪間を加えると総工事費は9兆円を超える巨大プロジェクトだ。波及効果も大きいだけに、政府が経済対策の一つとして位置づけるのも無理はない。
しかし、品川─名古屋間の開業予定は2027年。大阪までとなると当初計画で45年、これが8年前倒しとなったとしても名古屋─大阪間の工事は10年以上も先の話だ。ゼネコン関係者からすれば「まず品川─名古屋間の工事を計画どおり進めることが重要」(大手ゼネコン幹部)。
まだ工事の発注は始まったばかりだ。難工事とみられる品川駅や南アルプスなど「工期の長いものから工事契約を進めている」(内田吉彦・JR東海中央新幹線建設部次長)。一部工事はすでに着工しているが、本格化するのはこれからになる。
山岳トンネルは140km 大成、鹿島、清水が先陣
動きだしたリニア中央新幹線の品川─名古屋間の工事は、総延長約286km(山梨実験区間42.8km含む)、そのうち9割近くがトンネルだ。車両基地回送線や延長1km未満も含めるとトンネル部分の総延長は約256kmになる。
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