建設業の生産性向上のカギを握るのはICT(情報通信技術)の活用だ。国土交通省は昨年12月に公共工事の全工程をICTで管理する「iコンストラクション」の導入を決め、今年6月に第1号工事がスタートした。これまで建設工事のICT化では欧米やシンガポール、韓国に比べて日本は出遅れていたが、一気に世界トップレベルに躍り出る可能性も出てきている。
「iコンストラクションは予想を超えるペースで進んでいる。2008年からICT建機を導入した情報化施工が検討されてきたが、コスト高を理由に普及しなかったのがウソのようだ」と、清水建設土木技術本部上席エンジニアの河野重行氏は驚きを隠さない。ゼネコンがそう思うのも無理はない。役所主導のICT活用は失敗の歴史を繰り返してきたからだ。
国交省は1996年にCALS/EC(公共事業支援統合情報システム)構想を打ち出し、電子入札や電子納品などを実現したが、生産性向上に寄与したとはいいがたい。08年に導入された電子受発注システムの標準規格「CI-NET」も、利用企業は昨年5月に1万社を超えたばかりで、建設業許可業者への普及率はわずか2%にすぎない。
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