「ダメージばかりの法律。これで3年後に失職することになった」。派遣社員の宇山洋美さん(56)は今、大きな不安を抱えている。
改正労働者派遣法が9月30日に施行された。改正のポイントの一つは、これまで派遣期間に上限がなかった専門26業務の指定がなくなったこと。これにより、派遣社員の契約期間は一律3年が上限になる。一方、企業側は同一部署でも3年ごとに人を入れ替えれば、無期限に派遣社員を使えるようになった(図表1)。
宇山さんは派遣会社に登録し、専門業務の一つだったOA機器操作の契約でコンサルティング会社に派遣され、3カ月契約を更新しながら15年間働いてきた。
「専門とは名ばかりで、一般職女子社員の代替で電話も取るしお茶も出す。仕事は正社員と変わらないのに、時給制だから大型連休があれば手取りは減る。ボーナスや忌引休暇さえない」。シングルマザーとして子どもを養ってきた彼女は、夜勤や出張が難しいこともあり、不本意ながら派遣で働くしかなかった。
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