進みゆく労働力の非正規化が抱える課題に、どう対処すべきか。海外事例を参考にしながらその処方箋を考えてみたい。
まずは日本の非正規雇用の現状を見てみよう。雇用者全体に占める非正規労働者の割合は、1984年に15%だったが30年後の2014年には37%まで上昇した。今や働いている日本人の3分の1強が非正規労働者という状況だ。
男女比では女性の比率が男性の2倍強だが、近年の増加率は男性のほうが大きい(図表1)。過去20年間の年平均増加率は、女性が2.3%に対し、男性は3.7%。最近の非正規化は、女性よりも男性を中心に進んでいることがわかる。長引く景気低迷や経済のグローバル化により、長い間守られてきた男性の「正規職」という壁が崩壊し始めたことがその要因だ。
また、日本における非正規雇用の特徴は、パートやアルバイトの占める割合が高いことである。非正規のうちパート・アルバイトは68.7%と最も高く、続いて契約労働者(14.9%)、派遣労働者(6.1%)、嘱託労働者(同)の順になっている(図表2)。
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