若者を取り巻く雇用環境は厳しい状況が続いている。新卒の労働市場にも反映されており、総務省の統計によると今や初就職の約4割が非正規労働者だ(図表1)。男性で約3割、女性は約5割に上る。
厚生労働省の2014年のデータによると、25~29歳の平均月収は正社員で23.6万円、非正規で18.7万円と開きがある。また25~34歳の非正規のうち約65%が同じ世代の年収の中央値の半分を下回っており、25%近くの非正規は中央値の半分以下(一般的に「貧困」と定義づけられる基準)の収入しかないのだ。
最近は、正社員になりたくて焦っている若者の足元を見て、過酷な労働を強いる企業が出てきている。事例を見てみよう。
Aさんは13年3月に都内の私立大学を卒業後、正社員の職に就けずにいた。同年9月、百貨店などに装飾されている草花・観葉植物を管理する企業、「グリーンディスプレイ」がハローワークに出していた「新卒正社員募集・試用期間なし」という求人を見つけた。正社員での就職にこだわっていたAさんはすぐさまこれに応募した。
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