通知カードが実際手元に届いてから、マイナンバーの存在を知るという人も多いのではないか。『これだけは知っておきたい マイナンバーの実務』(日経文庫)などの著書がある、制度研究の第一人者、野村総合研究所の梅屋真一郎氏に解説してもらおう。
Question1 そもそもマイナンバーが始まった経緯は?
きっかけは日本年金機構の前身である社会保険庁が引き起こした「消えた年金」問題です。納付記録はあるものの、持ち主がわからない5000万件もの年金記録があることが、2007年2月に国会で発覚しました。同年7月の参議院選挙では、年金記録問題のダメージから自民党は大敗し、第1次安倍晋三政権の総辞職につながりました。
ところが、民主党政権でも依然多くの年金記録が宙に浮いたまま残ってしまいました。そこで社会保障制度をうまく機能させるにはマイナンバー制度がないといけない、ということが与野党の間でようやく明確になったのです。
以降マイナンバーの法制化は与野党が議論に参加して検討され、第2次安倍政権下で13年5月、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)が成立しました。消えた年金こそがマイナンバーの生みの親なのです。
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