一流企業の役員や成功者が毎夜訪れる銀座のクラブ街。浅川夏樹氏は、クラブ勤務の経験を生かしてお茶屋バーというユニークなお店を経営する一方、投資家としての顔も持つ異色の存在だ。銀座で幾多の経営者たちの浮き沈みをつぶさに見てきた浅川氏に、低成長時代の働き方について話を聞いた。

あさかわ・なつき●銀座クラブホステス、会社経営者、個人投資家の3つの顔を持つ。海外投資に詳しく、自らも実践。『ETF』など著書多数。(撮影:尾形文繁)
──銀座の働き方の特徴を聞かせてください。
銀座のクラブは完全な実力主義。いくら正論を言っても「ナンバーワンになってから言いなさい」と一蹴される世界です。その代わりナンバーワンになれば、大概のことでは自分の意見が通るようになります。
私は自分が経営者になり、慣習上ブラックボックスになっていた御飲食代を明朗会計にし、お食事も銀座の飲食店から出前で提供するなど、お客様が利用しやすいと思えることにはすべてチャレンジしています。
スタッフにも時給査定を提示しています。女の子から「どうしてあの子は時給が上がって、私は上がらないんですか?」と聞かれることがあり、「接客だけ頑張ればいいのではなく、お店の運営に必要なこと」を理解してもらうためです。自分が何を評価されていて、何を頑張ればいいのかが具体的にわかれば、仕事に積極的に取り組んでくれます。
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