1968年にローマで学識経験者ら100人が立ち上げたシンクタンク「ローマクラブ」。72年の最初の報告書で「100年以内に成長が限界に達する」と警鐘を鳴らした4人の主要執筆陣のうち2人に成長の限界や格差について聞いた。
埋蔵量増で原油下落? 実にばかげた考えだ
デニス・メドウズ ニューハンプシャー大学・システム管理学名誉教授 科学者
「資源の有限性が成長を制約する」という、あなたがたの主張に異論を唱える人もいます。
原油価格は複数の要因によって決まる。まず、資本やエネルギー、労働力など生産要素の使用量。次に生産要素コスト。そして利ザヤや税金、補助金、先物市場の相場だ。
原油価格が下落したからといって、生産要素コストが下がったことにはならない。『成長の限界』で展開した主張は、資源を使い果たすと生産要素コストが上がるということであり、実際にそうなっている。生産要素の使用量が増えれば、ほかのセクターに回る資本は先細りする。
埋蔵量の増加が原油価格を押し下げているなど、実にばかげた考えだ。油田を発見し、消費できるようになるまで約12年かかる。一方、原油価格は過去何カ月かで半値に急落した。その間に突然、原油の埋蔵量が2倍になったとでも言うのかね?
──「技術革新によって成長は続く」というのは楽観的すぎる?
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