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えびはら・つぐお●1964年生まれ。経済産業研究所労働市場制度改革プロジェクトメンバー。広島県雇用推進アドバイザー。京都精華大学非常勤講師。(撮影:梅谷秀司)
日本ではトマ・ピケティ氏の『21世紀の資本』やリンダ・グラットン氏の『ワークシフト』が売れているが、欧州ではそんなに売れていないそうだ。それは、欧州が階層社会であり、階層による格差の存在が当たり前だからだろう。
図表1を見てほしい。これはフランスの就労構造なのだが、フランスでは職業がすべて資格で区切られている。営業をやるなら営業の職業資格が必要。しかも営業の場合は業界別に資格が分かれている。そして営業の人は一生、営業のまま。その上の管理職に上がるのはまれだ。
[図表1]
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図の「資格労働者」なら年収は3万ユーロ(約420万円)が上限でそれ以上は上がらない。その下の無資格労働者なら上限は2.5万ユーロ(約350万円)といった具合だ。
欧州で取材してみると、「カゴの鳥のようでつまらない」「米国に生まれればよかった」「箱の中のネズミのようだ」「おでこに『高卒・事務職』というラベルを張られているようだ」と不満の声ばかりだった。
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