金融史の大家リチャード・シラ教授をNYで現地取材。日本と海外の超低金利の今後とピケティ評やアベノミクス評を聞いた。
日本では長期金利が0.2%を下回り、ゼロに近づいている。こうした超低金利は、歴史的に見ても極めてまれだ。
1980年代終わりから90年代初めのバブル崩壊で、いわゆる「失われた20年」に陥った日本の銀行システムを再建するために取られた手段、それが低金利政策だった。
だが、アベノミクスにもかかわらず、成長に勢いがつかないせいで、日本では今も超低金利のままだ。欧州も景気が芳しくない。その結果、世界的に低金利が続いているが、金融危機の影響がもっと薄らいだ時点で、米国連邦準備制度理事会(FRB)は金利の「正常化」(利上げ)に踏み切るだろう。
とはいえ、昨年も大方の予想に反し、金利は上がるどころかさらに下がった。今年も同様の(利上げなしという)サプライズがあるかもしれない。
大恐慌後の30年代も低成長論が盛んに
金融緩和をやめれば金利が上昇し、投資額が増え、先進各国の成長率は上昇するという声もあるが、そうは思わない。金融緩和は経済の「回復薬」だからだ。経済回復が速まれば金利は上がる。ただ、金融緩和をやめるだけでは成長は加速しない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら