日本電産、永守社長が描く買収攻勢の行方 独車載用ポンプ買収は“序の口"
ただ今回の買収は、既定路線の延長線上にあると言える。永守社長は車載分野で、モーターを軸に、従来の単品売りから組み合わせ(モジュール)販売へと舵を切るための買収を着々と実行。13年には車載用の中核部品であるエンジン電子制御ユニット(ECU)を手掛けるホンダエレシスを買収。10月の決算会見では、「最終的な目指す姿に向け、どんな製品、技術を投入するかが、事業ポートフォリオのキーとなる」と話し、さらなる買収案件の発表を示唆していた。
さらなる巨額買収に含み
そして、今回の買収。永守社長は「(今回の買収で)パズルのピースが埋まりつつある」と強調。しかし、「まだ顔は出来上がっていない」とも言及し、冒頭のように「大マグロはまだ先」と述べるなど、さらなる巨額買収へ含みを残した。
「永守社長には、次にどんな技術が必要かというマップが頭にあり、囲碁の次の手を打つように、一つひとつM&Aを仕掛けている」(同社幹部)。すでに、ホンダエレシスに続くECUメーカーの買収への意欲は示しているが、それが“パズル”のどの部分に当たるのかは不透明。モーター周りで、まだ手付かずの新しい分野の企業買収の可能性も大きい。
15年度には車載分野の売上高3000億円(13年度実績は1152億円)の目標を掲げる永守社長。その中にはM&Aの貢献も見込んでいる。達成に向け、どんな“大マグロ”の買収を狙うのか――。永守社長の視線は、すでに次を見据えている。
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