『トロン:レガシー』--人間の恐れる人間が作ったシステム《宿輪純一のシネマ経済学》

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 最終的に“若き父”を敵役にするにするという展開になっていくが、これはギリシャ神話の昔から人々の心を捕らえた普遍的な物語の“父と子”、それも時空を超えた物語が全体を貫く背骨となっている。CGの映画だからこそ逆に人間くさくしているのであろうか。

もちろん、別世界を生々しく疑似体験し、最新の3Dで誰も見たことのない映像世界も楽しめる。しかも、ジェフ・ブリッジスは若い彼が演じている!(若き日のブリッジスの映像をCG処理している)

その3D映像技術についてであるが、本作は2Dから3Dに単に変換処理したものではなく、ソニーにより全編立体撮影された“完全な”3D映画である。さすがはソニーといった感じである。


(c) Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

『アバター』が大ヒットしたことでもわかるように、この3Dというような「イノベーション」に基づく新しい分野は、新たな需要の創設による経済成長というよい影響もある。
 
 しかし、作り上げたコンピュータ(システム)が現実世界に悪影響を与える、というテーマは映画では過去からたくさんある。『2001年宇宙の旅』も『ターミネーター』シリーズもそうである。

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