いるいる! 話し合いを「空転」させる、こんな人 8種の「モンスター」傾向と対策〈第2回〉

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英語での業務が増えてくる中で、頭が英語モードになっているために、日本語を話す際にも自然とカタカナが出てしまうというのが「粋」なのだと思いますが、そうでない人がそれっぽく使いまくっていると、下手をすれば、コメディアンのルー大柴さんのギャグのように聞こえてしまいます。

参考までに、グループディスカッションでよく見られる例と、ルー大柴さんのギャグを比較してみます。極めて似たような雰囲気を感じるのですが、いかがでしょうか?

【グループディスカッションでよく見られる例】
「そのイシューに関しては、アグリーしかねるんだな」(アグリーする:同意する)
「そのコンテンツだとユーザーに対して、ノーバリューですよね」(ノーバリュー:価値がないこと)
「そのポジションだと、既存事業とカニバっちゃいますよ」(カニバる:共食いすること。専門用語の「カニバリゼーション」をもじったもの)

 

【ルー大柴さんのインタビューより】
「ストーリーがイノセントで、純粋なボーイの心にグサっと刺さって。もう感動の嵐なんですよ」
「エクスペリエンスをしながらグローイングアップしていくのが、僕のフィロソフィー(哲学)だから」
「人生はマウンテンありバレーあり(山あり谷あり)」
出典:『講師の心.com』人生を変えた瞬間 ―私のターニングポイント

 

また、「カタカナ星人」と似ているのですが、「プレゼンスを最大化する」「バリューを出す」「自分にレバレッジをかける」のようなビッグワードを乱用する人もいます。確かにこのような力強い単語が響くこともなくはないのですが、完全に口癖になっている人が見受けられます。

もしくは、「かなり」「ヤバい」「ムチャ」「ガチ」などの副詞や接頭語を、今風なイントネーションで、しかもなぜか自信満々な調子で多用する人もいます。さらには、「ガチでバリュー出す」「自分にヤバいレバレッジをかける」など、ビッグワードとの組み合わせ利用も散見されます。議論に熱くなるのはいいのですが、無内容な口語のアクセサリーは、チャラチャラと軽く聞こえてしまうので、なるべく控えたほうがよいでしょう。

さらに似た系列として、専門用語を多用してしまう職業病のような人がいます。たとえば、法学部で高度な法律用語を日常的に使っている人やITや金融系の人など、普段から専門性が強い領域で学んだり、働いている人が多くあてはまります。

普段から専門用語の中で生活していると、下手をすると気づかないうちに、自分のボキャブラリーが専門用語で染まってしまうことも多いと思います。その場合は、自分の言語体系が一般用語として通用するかを、たまに自省する必要があります。

こういった人への対策としては、「すみません、『アグリー』(もしくはほかのカタカナ用語や専門用語)って何でしたっけ?」と素朴な顔をして聞いてみることで、多少は自重してもらえるかもしれません。

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