いるいる! 話し合いを「空転」させる、こんな人 8種の「モンスター」傾向と対策〈第2回〉
ゆるキャラ
「ゆるキャラ」は、発言が明らかに的を外していて、議論を脱線させてしまうタイプです。「そのアイデア、おもろいな」「その方法、何かイケてないな」のような単なる感想・所感だけを述べる人も、ゆるキャラに含めていいかもしれません。
多くの場合、性格は天然系な善人のため、憎めないのですが、発言の方向がズレているので、それを調整するのに時間がかかるという点で「モンスター」として扱っています。
対策としては、「確かにおっしゃることはもっともですが、今、○○を話しているので、それについてはまた後で考えませんか?」といったように、相手の発言を認めたうえで、あくまでも当面の論点を確認していくことです。
お地蔵さん
「お地蔵さん」は、議論の間、まったく発言しないタイプで、これも今回はあえてモンスターの一種とさせていただきました。確かに直接的には無害なので、「モンスター」扱いするのは申し訳ないのですが、周囲が意識して発言を引き出したり、理解度を確認したりするなど、気を遣わなければいけないという点で、間接的に足を引っ張ってしまいます。
「お地蔵さん」になってしまう原因としては、議論にキャッチアップできていないか、内気なタイプで発言に慣れていない、もしくは、自分の利害以外は口を慎もうと警戒しているのかもしれません。
対策としては、適切な質問を振って、参加を促すことです。放置しておけばいいと思うかもしれませんが、沈黙している人がいるのは場の一体感、空気感に影響するので、やはり「お地蔵さん」もできるかぎり巻き込んでいくべきです。
たとえば、「これは法的には、違法なんですかね?」「これは生命科学分野ではどんな事例があるんでしょうか?」などと、その人の専門分野に応じた最新の情報提供(と判断)を求めるのが、いちばんやりやすいかもしれません。バラエティ番組でゲストとして呼ばれた専門家や識者に、司会のパーソナリティがしばしばこのような投げかけを行っているようです。
以上で「モンスター」の紹介は終了とさせていただきます。他人の振りを見て、自分のコミュニケーションの癖を振り返るキッカケにして頂けましたら幸いです。
なお、今回の新刊『東大生が書いた 議論する力を鍛えるディスカッションノート』では、このような就活の現場での観察結果のみならず、「2ステージ・6ポジション」と題して、世の中の「話し合い」全般に使える枠組みを学生目線からたくさん開発し、1冊にふんだんに詰め込みました。ぜひご笑覧いただけましたら幸いです!
(イラスト:上田惣子/ブックスプラス)
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