2015年、期待の若手選手は? 幅広い年代が活躍する女子プロゴルフ界

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すっかり冬になり、ゴルフ場では使い捨てカイロが手放せなくなりました。最近は、素材の開発で暖かい肌着や薄手のゴルフウエアも増えて、だいぶスイングしやすくなりました。着膨れでゴルフをしていた頃とは大違い。後半の試合では、女子プロも機能性豊かなウエアに、自己流のおしゃれを加味し、はつらつとプレーしていました。

さて、今季37試合はおかげさまで無事終了いたしました。今年は20人の優勝者が出て、初優勝者も8人と、例年どおり若手が大活躍した年でした。

特に4月に高校1年生の勝みなみ選手が、プロの大会で堂々の優勝を飾ったことは大きな驚きでした。それに続けと、堀琴音選手がステップ・アップ・ツアーで2勝を挙げました。今季賞金女王は韓国アン・ソンジュ選手。5勝を挙げる堂々の実力者です。日本語が達者で話がとても面白い。2位のテレサ・ルー選手は台湾出身。今季メジャー2勝を含む3勝を挙げました。

若手プロ筆頭は成田美寿々選手、5月のメジャーで優勝し、その勢いのまま3勝。酒井美紀選手は2勝を挙げ、二人とも賞金ランキングベスト10入り。新人では鈴木愛選手が日本女子プロ選手権優勝の最年少記録を達成。ベテランの大山志保選手はケガによるスランプを克服し、上田桃子選手も米国での不振を払拭し、それぞれ2勝ずつ挙げています。

そんな中、シード選手外から優勝を飾ったのが前田陽子選手、29歳。6年前にプロ入りするもなかなかツアーに出られず、プロゴルファーとして身を立てることがままならず、ほかの仕事をしながら余った時間でひたむきに練習を重ねてきた選手です。今季QT上位の成績でツアーに初めてフル参戦しました。

このスポットライトを浴びるまで、すごい競争を勝ち抜いてきました。通常試合は108人が出場。そのうち50人がシード選手。18人がスポンサー推薦での出場。残る40枠を決めるのがQT(試合出場権を決める大会)です。今季600人近くが4ステージあるQTに挑戦しました。その中、前田選手はQT12位の成績を挙げ、11月ついに優勝をもぎ取ったのです。

近年は活躍する年齢が若年化し、40歳まで現役でいる人はほんの一握りです。そんな中、1967年誕生の女子プロ1期生で、11月にゴルフ界で初めて文化功労者に選出された樋口久子プロ。最初に女子プロゴルフの道を開いてくださった方であり、51歳まで現役を続け72勝を挙げました。海外では70年代に米国、欧州、オーストラリアでも勝ち、世界ゴルフ殿堂入りしています。

現在では当たり前の、グローバルに活躍した先駆者です。現役を退かれてからは、日本女子プロゴルフ協会の長として14年間、組織を牽引し、後進に道を示してくださっています。

幅広い年代の活躍とグローバル化した女子プロゴルフ。来年はどんな選手が活躍するのか大いに楽しみです。

週刊東洋経済 12月13日号より

小林 浩美 プロゴルファー

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こばやし ひろみ

1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)会長。所属/日立グループ。

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