2015年末、日経平均は1万9000円目標 アムンディの濱崎優・投資情報部長に聞く

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民間の利上げ予想も後ズレしてきている。FF金利先物に基づく利上げ時期のコンセンサスは、9月末では15年9月だったが、11月末では12月まで後退している。利上げは15年の後半、場合によっては16年の場合もあると思う。

15年も米国の利上げ観測による混乱が多少はあるだろう。市場は利上げを景気の強い証拠と見てよい材料と捉えるほどには、まだ強気でないと思う。ただ、マイナスの影響はだんだん小さくなってきている。

――欧州の景気低迷とECBの政策動向をどう見ていますか。

注目材料だ。ECB(欧州中央銀行)も遅れてはいるが、来年3月ごろまでにはソブリンQE(国債の大量購入による資金供給)を行うと期待している。ただ、実現に手こずり、3月以降にずれ込む事態になると、デフレ化はさらに進んでしまう。ECBはプロアクティブではなく、数字を見てから動いているようにみえる。

景気の低迷が長引くと、日本のようにデフレマインドが浸透してしまい消費、投資行動が変わってしまう。銀行も体力強化のために融資を絞っている。欧州はドイツが財政健全化優先の姿勢を改め、インフラ投資を積極化させないと、景気低迷とデフレ化はなかなか止まらないだろう。

これは欧州向けの輸出が大きかった中国にも引き続きマイナスの影響を及ぼす。

イノベーションなき中国経済、実態は厳しい

――中国経済の実態についての見方は?はバブル崩壊か、それとも、ソフトランディングできるのか。

国内はバブル崩壊の段階に入っているおそれがあるとみている。政府によるコントロールの下、ソフトランディングに向かっているように見えるが、実態はより厳しいのではないか。7%台前半の実質GDP成長率は実態より高めに見える。電力消費量や鉄道輸送量が伸び悩んでいるためだ。

また、中国は高成長が続くことを前提に、これまで多額の投資をしてきたが、景気の減速で過剰な資本ストックを抱えてしまっている。ほとんど入居していない高層マンションが立ち並ぶ「ゴーストタウン」は象徴的だ。日本のバブル崩壊時と似た状況だ。

にもかかわらず、まだ住宅が建設され、新幹線、道路の建設も積極的に進められており、投資偏重の経済構造が続いている。名目GDPに占める固定資本投資のウエイトは2008~2013年まで、6年連続で40%を超えた。ちなみに日本の固定資本投資の対名目GDP比は、1973年の36.3%が最高であった。それと比べて中国の投資への偏重ぶりが分かるだろう。

中国は中所得国の罠にはまるリスクも抱えている。先進国へと脱皮できるかどうかのポイントは、世界に通用する自前の技術を持てるかどうかだ。中国はイノベーションの力をつけることが課題だ。

大崎 明子 東洋経済 編集委員

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おおさき あきこ / Akiko Osaki

早稲田大学政治経済学部卒。1985年東洋経済新報社入社。機械、精密機器業界などを担当後、関西支社でバブルのピークと崩壊に遇い不動産市場を取材。その後、『週刊東洋経済』編集部、『オール投資』編集部、証券・保険・銀行業界の担当を経て『金融ビジネス』編集長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務)修士。現在は、金融市場全般と地方銀行をウォッチする一方、マクロ経済を担当。

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