2015年末、日経平均は1万9000円目標 アムンディの濱崎優・投資情報部長に聞く
米FRBの利上げは2015年の後半にずれ込み
――2015年の株価見通しは。
今年末に日本銀行による追加緩和は予想していたが、その効果は、2015年10月の消費再増税が予定通りに決められることで、打ち消されると見ていた。しかし、消費再増税が延期されたので、株価にとってのマイナス材料はなくなった。また、安倍政権は補正予算も組むとしている。金融面でも、財政面でも株価をプッシュする材料が揃った。
企業業績の面でも上昇方向とみている。今年4月の消費増税の結果、内需系企業の業績が弱くなっていたが、消費再増税の延期によって、人々のマインドが改善するので、徐々に消費が回復し業績も好転していくと見ている。7~9月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比マイナス1.6%(年率換算)だったが、これは在庫調整の影響が大きい。消費は弱いものの前期比プラスだった。
株価は緩やかに上昇して2015年末で日経平均株価は1万9000円がターゲットになるとみている。
――2015年のリスク要因として注目しているのは。
現在のところ、これといったリスク要因はない。あえて言えば、米国の金融政策において利上げの前倒し観測が出てくることだ。
だが、雇用情勢がFRB(米国連邦準備制度理事会)のイエレン議長が目標としている状態にまで改善するには時間がかかると思う。ここにきて15年半ばの利上げが妥当という見方も出てきたが、これは想定の範囲内。雇用情勢次第ということには変わりはなく、雇用に見込みを上回る明確な明るさが出てこないと、前倒しは予想しにくい。
雇用について、イエレン議長はさまざまな指標を見るとしているが、あえて重要な指標を挙げれば、第1に長期失業者(27週間以上失業している人)の割合、第2にU6(広義の失業率、構造的な失業率を含む)と完全失業率の差。
後者はリーマンショックの前にはおおむね3~5%ポイントだったが、今は、やっと6%ポイントを割ってきたところ(11月で11.4%と5.8%の差)。少なくとも5%を割り込んでこないと本当の意味で需給の緩みが解消したとは言えず、賃金も本格的に上がってこない。これまでの回復ペースを延長してみるとそうなるのは15年末ごろとみている。
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