古事記を読みなおす 三浦佑之著

拡大
縮小
古事記を読みなおす 三浦佑之著

日本最古の歴史書『古事記』は、『日本書紀』とともに「記紀」と称され、律令国家の由緒を描く--。こうした理解には根本的な誤りがあると、古代文学や伝承文学の専門家である著者は言う。古代律令国家が文字によって叙述、編纂した日本書紀に対して、古事記は「語り」の世界であり、国家が求めた歴史とは一線を画したところに、その本文は存在し続けたのではないかと指摘する。

古事記では重要な部分を担う「出雲神話」が日本書紀に存在しないのはなぜか。そこに二つの歴史書を理解するカギがあると、古事記成立に関する自論を展開する。同時に、音声にこだわって出雲神話を読み解きながら、伝承文学としての古事記の魅力を語る。

ちくま新書 924円

  

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT