初公開!これが通勤電車「乗車率ランキング」 なかなか座れない高崎線、すぐ座れるのは?
まずは首都交通圏から見ていこう。今回の試算で得られた割合は、上は90.9%から下は11.8%と、非常に広範囲なものとなった。ただ、これは首都交通圏に限らず、中京、京阪神の各交通圏でも見られる特徴だ。
高崎線に乗って座れなかったら、立席を覚悟?
表を見るとわかるように、高い割合を示した上位4路線はいずれも路線の長さが10㎞以下と短い。
しかも、京浜急行電鉄空港線を除いて起点、終点の両端で他の路線と接続し、なおかつ大多数の列車が直通していくという特徴を備えており、事実上は単独の路線と見なさないほうがよいのかもしれない。
10㎞以上の路線で割合が最も高かったのは、57.5%を記録した高崎線だ。
平均乗車キロの15.7㎞という数値は、大宮駅からでは桶川駅と北本駅との間に相当する。
月並みな分析で恐縮ながら、高崎線の列車に乗車して着席できなかった場合、目の前の座席に座っている人は、なかなか降りないものと考えなければならない。このような路線ではボックスシートのような座席を増やし、多くの利用者が着席できるようにする工夫が求められる。
とはいえ、最混雑1時間の混雑率も191.1%(宮原駅→大宮駅、2009年度)と高いので、反対に座席の数を減らして車両の収容能力を向上させることも必要だ。
過去の忌々しい事件を引き合いに出して恐縮だが、高崎線の上尾駅では1973(昭和48)年3月13日に利用者による暴動が起きたことがある。
歴史上、上尾事件と呼ばれているが、座席数は多いものの、多数の利用者を詰め込めない車両をラッシュ時に走らせていたことに加え、当時、国鉄の労組が実施していた順法闘争が引き金となった。こうした苦い事例があるので、鉄道会社各社とも車両を最混雑1時間に合わせた仕様とせざるを得ない。
いっぽう、割合が低い路線のうち、いずれもJR東日本の東海道線と東北線とは、東京―品川間、東京―田端間という山手線の電車が走る区間も含まれているために平均乗車キロが短くなっていると考えられる。東海道線を、東京駅を発着する熱海駅方面の列車、東北線を、上野駅を発着する宇都宮駅方面の列車と限定した場合の割合が気になるものの、残念ながら数値は公開されていない。
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