初公開!これが通勤電車「乗車率ランキング」 なかなか座れない高崎線、すぐ座れるのは?

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もう一つ、割合が低い路線として注目したいのは東武鉄道の野田線だ。路線の長さが62.7㎞もありながら、平均乗車キロは9.4㎞、割合は15.0%にすぎない。

大宮駅と船橋駅との間を柏駅経由で結ぶ野田線を、全線乗り通す人はほとんどいないのであろう。大多数の利用者は途中の柏駅はもちろん、春日部、流山おおたかの森、新鎌ケ谷の各駅で乗り換えてしまうものと考えられる。

野田線で乗換駅同士の間隔が最も長いのは春日部駅と流山おおたかの森駅間の23.2kmだ。両駅の中間の11.6km地点は清水公園駅と愛宕駅との間にある。したがって、清水公園駅と愛宕駅との間は野田線で最も利用者の少ないと区間の一つと言えそうだ。

中京は二極化、特筆は62.5%の名古屋鉄道豊田線

次に中京交通圏を見ていこう。先に申し上げておきたい点として、今回のランキングには中京交通圏のJR東海と京阪神交通圏のJR西日本両社の路線は登場しない。どちらも路線ごとの平均乗車キロを公表していないからである。国が統計として取りまとめている数値であるので、両社には公表を切に望みたい。

さて、中京交通圏では割合が高い路線と低い路線とで、両極端な傾向を示している。途中駅が存在しないため、割合が40%以上と30%未満とのグループに二分され、中間層となる30%台の路線が存在しないのだ。

割合の高い路線を見ると、途中駅が存在しないために常に100%となる名古屋市交通局の上飯田線は別として、62.5%を記録した名古屋鉄道豊田線の高さが際だつ。赤池駅と梅坪駅との間を結ぶ豊田線は15.2kmと路線の長さ自体はそこそこあるなか、赤池駅では名古屋市交通局の鶴舞線、梅坪駅では同じ名古屋鉄道の三河線にそれぞれ接続し、直通列車も多い。

したがって、首都交通圏で挙げたJR東日本赤羽線などのように、実質的にはいま挙げた2路線と一体となっていて、豊田線を単独の路線と考えないほうがよいとも言える。

もう一つ注目したいのは、近畿日本鉄道の名古屋線だ。調査対象となった40.8kmの区間は他の路線と比較して長いながら、高い割合を記録した。20.3kmという平均乗車キロを同線の起点の近鉄名古屋駅から数えると、近鉄長島駅と桑名駅との間に相当する。実感として、近鉄名古屋駅-桑名駅間では座席にあぶれたらまず着席できないのではなかろうか。

なお、名古屋線の最混雑1時間の混雑率は137.8%と首都交通圏の各路線ほどではない。このため、近畿日本鉄道は座席数の多い車両も用意し、主に急行などに導入している。

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