賞味期限を4倍長くする魔法の牛乳パック

ロングライフ商品が経済にも社会にも優しいワケ

明治のロングライフ牛乳

スーパーやコンビニエンスストアなどで売られているさまざまな食品。同じメーカーが出す同じジャンルの食品の中で、賞味期限がびっくりするぐらい長い商品があるのをご存じだろうか?例えば牛乳。通常の賞味期限は製造日から1~2週間だが、大手メーカーの明治では、製造日から2カ月にも及ぶ商品がある。しかも常温保管が可能というのだから驚きだ。

そもそも賞味期限とは、未開封の状態で冷蔵や冷凍、常温など食品に表示されている方法で保存した際に品質が保たれる期限を指す。この賞味期限が極めて長い商品は「ロングライフ商品(牛乳の場合ロングライフ牛乳)」と呼ばれている。冷蔵庫にも入れず、賞味期限が4倍。通常牛乳との「この差」っていったい何なのだろうか。

TBSテレビ「この差って何ですか」取材班はこの秘密に迫った。

「腐敗」を防ぐ仕組みにカラクリ

これだけ長くもつなら、非常用としても常備しておけそうだが、「鮮度が命と思われる牛乳でそんなにうまい話があるのか。保存料などの添加物が入っているのでは」と警戒してしまうのは筆者だけじゃないはず。だが、市場に流通している食品事情に詳しい、食品コンサルタントの小川徳一郎さんは、「ロングライフ牛乳に、保存料などの添加物は一切入っていない」と話す。

では、賞味期限が長くなる秘密は何か。それは食品が食べられなくなってしまう「腐敗」を防ぐ仕組みにある。

そもそも「腐る」とはどういうことなのか、ここから整理してみよう。腐るとは「食品上で菌が爆発的に増殖して、ある種の毒素を出す状態」または「食品に含まれる油脂が酸化して、食用として適さなくなる状態」のこと。つまりこの2つの状態をコントロールすれば、腐敗を防ぐことができるというわけだ。

まず製造工程での菌対策。日本乳業協会によれば、蒸気で加熱した高温の金属プレート内を牛乳が通過することで殺菌するのが高温殺菌の基本的な仕組みだが、ロングライフ牛乳の場合、製造過程で130~150℃の高温で1~3秒程度の熱を加える。そして、清浄エアーを送り込みながら無菌状態で充填する。

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