総選挙は、長期デフレ脱却の「最終ハードル」 世界が注目する「12.14アベノミクス審判」

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こうした中で、消費増税不可避と主張していた大手メディアの論調は、「解散総選挙には大義はない(と国民の多くが認識している)」「自民党の政策には具体策がない」といったように、安倍政権や与党に対して辛口の評価が目立つ。

本当に多くの国民は「変化」を感じていないのか?

もちろん、メディアが政権に批判的な立場をとるのは、チェック機能として必要だ。ただ、大手メディアの増税を後押しする論調が、結局世論にあまり受け入れられていない状況に着目すべきだろう。

また、一部の有識者などがアベノミクスは失敗しているなどと主張を述べても、過去2年で起きた景気復調、雇用回復(失業率低下)について、多くの国民は現場における変化を感じているのではないか。だとすれば、他の選挙の争点を除けば、この経済状況を保つために投票する政党を選ぶことが、多くの国民にとって経済合理的な判断になるはずだ。

2年前の総選挙で大敗した民主党が、今回善戦するとしても、この観点からは躍進が期待できないかもしれない。自民党に対して対決姿勢を示すのは良いが、経済政策についての政権公約は、アベノミクスの「揚げ足取り」に止まっているものが多い。

具体的には、(1)急激な円安や物価高など国民生活に配慮した「柔軟な金融政策」、(2)子育て支援や雇用の安定のための「人への投資」、(3)環境や中小企業に重点を置いた「未来につながる成長戦略」、などを公約としている。

安倍政権になって実現した金融緩和政策の強化で、2013年からの景気回復と脱デフレが始まった事実を、未だに認めない立場をとっている。

また、安倍政権が決断した消費増税先送りの判断について、11月14日に民主党の実力者である野田佳彦前首相は、消費増税先送りについて「究極のポピュリズム」と批判した。ところがその同じ日に、「消費増税の延期はやむを得ない」と態度を一変させている。

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