体制固めに武力を使う北朝鮮の「内部事情」

数発の爆発音に驚き建物を出ると、そばで砲弾が炸裂--。11月23日午後、北朝鮮による砲撃を受けた韓国・黄海に浮かぶ延坪島の住民は、戦慄が止まらない時間を過ごしたに違いない。

今回の砲撃で、韓国側は軍人・民間人それぞれ二人の犠牲者を出した。地上への攻撃は1953年に休戦した朝鮮戦争以来だ。

これまで北朝鮮は、黄海上でたびたび武力挑発を繰り返してきた。関与を否定しているが、今年3月に韓国海軍の哨戒艦が北朝鮮製魚雷による攻撃で沈没、46人の犠牲者が出たことは記憶に新しい。

今後、韓国側の対応が注目されるが、経済面での影響は限定的だ。発生当日に急落した韓国ウォンは、翌24日には1ドル=1140ウォンと砲撃前の水準まで値を戻した。韓国総合株価指数も小幅な下げにとどまっている。過去の武力挑発時と状況は同じで、再度の挑発や韓国側の強硬な対応がないかぎり、経済的な影響は大きくないだろう。

「緊張」がキーワード

今回の武力行使の理由は、二つに絞られる。一つは、北朝鮮の安全保障上、最も脅威となる米国を交渉テーブルにつかせるための挑発だという見方。そしてもう一つは、10月に姿を見せた金正日総書記の後継者・金正恩氏のため、というものだ。

前者は、北朝鮮が得意とする「崖っぷち外交」の一環だ。米国から自国の体制を認めてもらい、後継体制の安定につなげる。他人を脅して話をするという強引なやり口だが、北朝鮮はこのやり方しか知らないのも事実である。

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