「嫌韓CM」席巻!台湾の過激な選挙事情 台湾統一地方選で国民党が嫌韓を前面に
11月に合意された韓中FTAそのものについては、日本の専門家も「日本への影響よりも、台湾への影響が相対的に強い」という指摘が、日本ではある。
韓国のFTA政策に詳しい、亜細亜大学アジア研究所の奥田聡教授は「今回の韓中FTAは、自由化度からすれば非常に低レベルなFTA」としながらも、「精密機械や電子部品、化学製品など、中国がほしがる物品は台湾と韓国は競争関係にあり、台湾企業に影響があるかもしれない」と説明する。
また、台湾経済に詳しい、みずほ総合研究所アジア調査部中国室の伊藤信悟室長は、「韓中FTAの具体的な品目の関税がどうなるのかがまだきちんと発表されていない」と前置きしたうえで、「台湾では、自由化度が低く、台湾に敏感的な品目では非課税になるのが20年後という物品もある。『韓中FTAが台湾経済に悪影響を与えると言うのは時期尚早』との指摘をする専門家もいるようだ」と言う。
ライバルのはずの韓国は、台湾をあまり意識せず
とはいえ、このCMに出てきたように、韓国が台湾に対して優位性を感じつつ関心を持っているかと言えば、必ずしもそうではない。
今回の韓中FTA合意で「(自由貿易ができる)経済領土が世界の8割を超えた」と、韓国メディア特有の「わが国がよくやった」式の報道は多かったが、そのなかに「台湾と比べて有利」といった言葉はほとんど出てこない。韓国経済界や一般国民が、ことさら台湾に関心があるわけでもない。彼らの関心は圧倒的に、中国大陸とどうつきあうべきか、なのだ。
また、中国や米国、EUと相次いでFTAを締結し、一時は「FTA大国」を自称していた韓国だが、その成果を国民が感じているかとなると疑わしい。それは、FTAによって、国民がその恩恵をどこまで意識しているか、ということだ。韓国では李明博前政権当時、米国産の牛肉輸入自由化をめぐり、その安全性などに疑問を持った国民による大規模なデモが発生。それが長期化し、一時は李政権の存続が危ぶまれるほどの規模にまで発展したことがある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら