ルミネ:有楽町マリオン・西武有楽町跡に自信の出店のワケは?《それゆけ!カナモリさん》

 西武有楽町店の入居した有楽町センタービル(マリオン)の開業が84年。当時は「迅速な生産と供給」から、商品や広告での差別化へと企業課題が変化した。誰もが同じモノを欲しがった時代から、「十人十色」や「一人十色」といわれた「多様な消費」に応えた百貨店の最後の黄金期である。

 91年にバブルが崩壊し、93年から本格的な不景気、いわゆる「失われた10年」に突入し、消費は低迷した。モノが売れない環境で、「百貨」を揃えることは弱点となる。その頃から、取扱品目を絞った「七十貨店」や「三十貨店」という考え方が台頭してきた。事実、有楽町西武は延べ床面積が狭いこともあり、1995年にレディースファッション特化の戦略に転換した。

 この一連の百貨店の歴史と消費者の変化に、百貨店凋落の原因と、ルミネに寄せる有楽町マリオンの大家の期待が隠されている。

 そもそも、「百貨」を揃える意味は、高度成長期までは、「誰も欲しがるモノを、何でも揃えること」だ。その結果、「店に品物を並べれば、様々なものが売れていった」のだ。バブルの頃には、「目の肥えた消費者がやってきても、多様な消費にマッチするものが、店に必ずあるようにすること」が百貨の意味となったのだ。

 極論すれば、「百貨」を揃えていれば、「誰が・どんな理由で・何を買うのか」を詳細に突き詰めなくともよいわけだ。では、環境が変化し、「百貨」が弱点になって「七十貨」や「三十貨」に絞り込んだ時、それは詳細に突き詰められたのか。

誰が=Target、どんな理由で買うのか=Key Buying Factor(KBF)がわかれば、どのような店にすればよいのかという位置づけや、魅力の打ち出し方=Positioningが明確になる。それができたルミネと、できなかった有楽町西武をはじめとする、多くの百貨店の命運を分けているのだ。

■変わる有楽町、どこへ行く

 前掲の日経新聞の記事に興味深い数字が掲載されている。

 主力の新宿ルミネの1平方メートル当り売上高は約237万円で、西武有楽町店の2.7倍も売れているという。

  百貨店勢は、近年になって、高島屋が新宿のテナント部分にユニクロを誘致し、銀座松坂屋が立て替えまでの期間限定でフォエバー21を誘致するなど、ファストファッションとの連携を模索しはじめた。また、伊勢丹が新宿店の地下に若年女性向けの「伊勢丹ガール」を、大丸と松坂屋を運営するJ.フロントリテイリングが同様のターゲット向けに、大坂・京都の大丸、銀座松坂屋で「うふふガールズ」の展開をはじめた。

 一方で、ルミネは西武がマリオンに出店した四半世紀前から、多くのテナントの商品が1万円を切る品揃えの中で顧客吸引力と販売力を蓄積(同・日経記事)してきたのだ。

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