数十万円もするデニムが「平然と買われる」異変 劣化しにくいデニムは今や「優秀な投資商品」

スニーカーや時計に続き、ヴィンテージデニムも投資商品となりつつあるようです(写真:primeimages/GettyImages)
コロナ不況やウクライナ危機の影響で先行きが見えない世界経済の中、売り上げを伸ばすヴィンテージデニム業界。創業24周年を迎えた原宿の古着店「BerBerJin(ベルベルジン)」では、数百万円から1000万円を超えるヴィンテージデニムが日々取引されているといいます。
同店のディレクター・藤原裕氏が界隈の動向を鋭く考察した新刊『日本人が見出したヴィンテージの価値 教養としてのデニム』から抜粋・再構成して紹介します。(前回の記事はこちら)
デニムは今、「投資商品」だ
腕時計やスニーカーなど、ファッション業界にはトレンドの変化に伴いその商品に付加価値が付き、購入時より価格が上がるアイテムがあります。ひと昔前であれば裏原ブーム時の人気ブランドアイテム、最近だと「ナイキ」の限定スニーカーなどが挙げられます。
最近のヴィンテージデニムでは同じような状況が起きており、ベルベルジンでも、ひと昔前まではファッションやヴィンテージデニムが好きな人だけが訪れていました。
でも最近は、そこまで興味がなさそうな方が来店し、試着もせずに高価なデニムを購入するケースも増えています。極端な人の場合、明らかにその方のサイズでは合わないにもかかわらず、何十万円もするデニムを平然と買っていきます。お話を伺うと、やはり投資目的で購入しているとのことでした。
私の場合、自分で着るためのデニムしか買わないので、投資目的で購入される方の気持ちがわかりません。誤解のないように申し上げると、どちらがいいとか悪いとかではありません。私は、どちらでもいいと思っています。
もともとデニムを含めて、古いアメリカ製の衣類にヴィンテージ価値をつくったのは日本人です。ベルベルジンの系列店にフェイクαというお店がありますが、15年前までは別のオーナーが経営するお店でした。
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