37歳大阪で農業を営む男が「天職」に辿り着けた訳 フリーライターとの兼業で、したたかにたくましく

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「よく都会で悩んでる人は田舎に来たらいいのに、と思います。農業は手をかけたぶん、きっちり返ってきます。丁寧に育てたらよく育つし、ほったらかしておいたら育ちません。自然に努力が認められているようで、自己肯定感が高まります。

(写真:筆者撮影)

ただいきなり仕事を辞めて

『これから俺は専業農家になる!! オーガニック!! 里山保全!!』

と意気込んで農業をはじめる人は失敗する可能性が高いです。

仕事を辞める前に、一度畑を借りてやってみるといいと思います。意外とできますし、どれくらい稼げるのか、おおよそわかってくると思います。

田舎では兼業で農業をしている人が多いです。育てて、収穫して、自分で食べて、たくさん収穫できたら売って……と、とても健全にやっています。商売として考えすぎず、生活の中に農業を組み込んでいくとうまくいくと思います」

(写真:筆者撮影)

都会の生活に疲れた人が、田舎で農業をしてのんびり過ごしたいという気持ちはわかる。

「都会ではたくさんの人と交流しなければいけないから、疲れてしまう。なるべく1人で気ままに生きたい」

という人もいるだろう。

田舎なら50歳でも十分に若い人材

「田舎は人材の受け皿があります。50歳くらいなら十分、若い人材として通ります。村に人手が不足している場合、とても歓迎されると思います。

ただし、田舎だから人と交流しなくていいということはありません。田舎だからこそむしろコミュニケーション能力は必須なんです。

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たとえば路上駐車していたとか、人の悪口言っていたとか、ネガティブな話は田舎では広がりやすいです。逆に、毎日草取りをしたり、消防団に入って活動したり、とポジティブな行動をとったら仲良くなれます。

田舎暮らしでは、都会のマンション暮らしでは気にしなくていい、人と人とのつながりがとても大事になります。

これには向き不向きも大きいと思います。

僕は子供の頃は田舎が嫌だったんですけど、いざ東京に住んでみたら満員電車が本当に苦手だったんですね。それからあらためて田舎に住んでみたら、とても居心地がよかった。結局、僕には田舎が合っていたということですね」

と伊藤さんは笑いながら話してくれた。

したたかに、たくましく、「田舎暮らしの兼業農家」という夢を叶えている伊藤さんがとてもうらやましく思えた。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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