37歳大阪で農業を営む男が「天職」に辿り着けた訳 フリーライターとの兼業で、したたかにたくましく

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野菜は2~3カ月で収穫ができる。

ニンジンが太った頃合いで収穫に行くと、畑のニンジンは1本もなくなっていた。

「全部、イノシシに食べられていました。1本残らずなくなってました。ニンジンとは別に里芋を植えていました。隣に住むおっちゃんに『イノシシは里芋は食べないよ』と言われていたのですが、それも全部掘り起こされて食べられていました。パクチーは鹿に食べられてしまったようでした。

現実を受け入れられないまま、10分くらい畑の前でボーッと立っていました。ライターとしての収入もあったし、金銭面では問題はなかったのですが

『育ててきた苦労が一気になくなる』

というのは精神的にガーンときました」

1年目は動物に関してはまったくの無防備だった。反省して自分で機材を買ってきて、電気柵を設置した。

山が荒れていると、身を隠す場所が増えるため鳥獣害が増える。獣が増えると、ヤマビルが出るなど2次被害も起きる。

それからは山をきちんと手入れするように心がけた。

講座を開けるほどに

「きちんと管理すると、鳥獣害は減っていきました。なんとか踏ん張って鳥獣を押し返さないと、農業をするハードルはどんどん上がっていくんです」

対策を立てるようになってからは、冒頭に書いたように順調に作物は育ち、現在では年収150万円を売り上げるまでになった。

「山をきちんと手入れするという試みからヒントを得て『栗の塾』という、栗の剪定方法や管理の仕方をする月1回全10回の講座を開きました。講座料3万5000円で20人以上の予約が入りました。副業をはじめるためのワークショップとして申し込んでくれた人が多いと思います。せっかく栗山があっても誰も手入れせず荒れ放題になっている場所はたくさんあります。そんな栗山を借りて副業にしたい、農家をやりたい、という人はたくさんいるということですね」

(写真:筆者撮影)

伊藤さんは、フリーライター、農業、講座とさまざまな稼ぎ方をして生計を立てている。

今後はジワジワと農業の収入の割合を増やしていき、3分の2ほどにするのが目標だという。かなり現実的な目標に思える。

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