――4月から学会のルールの下、着床前診断を行う施設では、受精卵の性別(性染色体情報)の開示は原則しない方針です。にしたんクリニックでは性別を知らせるのですか。
産み分け(性別の開示)に関しては、そんなに積極的にやるつもりはない。やっぱりそれはちょっといきすぎだと思う。
――新規参入とあって、治療の質を懸念する声もあります。
僕らは妊娠に至って子どもが生まれるという結果に、最大限のコミットはする。だけど、僕らのサービスが「ベスト」である必要はないんですよ。
不妊治療を受ける人で、高度な技術を用いないと妊娠しない人の割合は少ない。ほとんどの人は、3つぐらいのスタンダードなメニューで十分なのに、今の医療業界はまったくとんちんかんなことやっている。
僕らは、ほとんどの人にとって最適なものは何なのか、お客さんがいちばん幸せになることを考えて、バランス感覚を持ってマーケティングをやる。だから、あっという間に1番になれる自信がある。
医療も「サービス業」
お医者さんの目線で考えると、「最新の治療がいい」とか「医療技術なめるな」とか、そういう話になるが、僕があらゆる事業をやってきて思うのは、結局すごく見栄えのいい内装でおいしい料理が出せるレストランがあったって、お客さんが誰一人来なかったらまったく意味がない。
僕が気に入っているレストランですごくおいしいのにつぶれちゃったりすることもあれば、そんなに大した料理を出してないのに繁盛しているレストランもある。選択するのはお客さんだ。
こういうことを言うと、「食べ物と一緒にするな」「レベルが違う」という話になるけど、僕はそうじゃないと思っている。結局、どんなにいいものがあっても、選ぶのは患者さんだから、患者さんがそこに行って治療を受けようと思わないと話にならない。
僕たちは、お客さんがどうやったら集まるかをわかっている。提供するものは食べ物であれ、医療であれ、同じサービス業だ。
開院予定の新宿、品川、日本橋のクリニックは駅直結の有名なビルで内装にもこだわっている。「一流の場所に最高のものを」。マーケティングには場所や内装も重要だ。
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