「ウクライナ戦争」が起こる知られざる深い事情 国際政治記者がストーリーでわかりやすく解説
なぜ領土を求め続けるのか
大樹:素朴な疑問なのですが、ロシアも中国もとても大きな国なのに、なぜそんなところの領土にこだわるのでしょうか? 国同士の境目は、管理ができないくらい寒くて、人もいないんですよね? なぜそんな土地を取り合うのでしょうか?
カイゾク:ふむ、ちょっとくらいの領土なんて、こだわらなくてもいいんじゃないかということだな。しかし、実際にはそういう考えにはならない。国が大きければその分、さらに大きくしたいと思うものだ
そこでカイゾクは、1本足の地球儀を少しずらして、デスクの真ん中に白い紙を1枚置いた。そしてそこに赤のサインペンで小さな丸を描いてから、2人に聞いた。
カイゾク:仮にこの赤い丸を自分の領土としよう。周りはほかの国に囲まれている。そして自分の領土を守るために、周りの国も攻め取って自分のものにする
カイゾクは赤い丸の外側に、大きな赤い丸を描いた。
カイゾク:こうすれば、中の丸い部分は安全になる。でも、新たに取った部分は外に面しているからまだ安全ではない。せっかく大変な苦労をして、自分の国のたくさんの兵士の命を犠牲にして攻め取った部分だろうから、なんとしても取られたくないと思うのは自然だ。さあ、どうすればいいだろうか?
大樹:やっぱりさらに外側の国も自分のものにしなければいけない、と思うのでしょうか?
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