日本中で多発!「夫をほめて伸ばそう」への大疑問 そうなってしまうのには「構造問題」もある

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実は今回の記事、以前Twitterでなにげなく「一部のパパがいう『妻よ、優しく褒めて僕を育てて!』って赤ちゃんプレイ大好き宣言みたい。本物の赤ちゃん目の前にして恥ずかしくないのかな?」とつぶやいたのがかなりの大反響で(「まさにうちの夫のことだ!」という感想はかなり多かったし、なかには「男だって褒められたい」という意見も)、その補足的に描いてみたものです。

その中には、「妊娠中に『パパを育てる』っていうの見て、よし頑張って育てようと本とか記事に書いてあるように旦那に接したら『子供扱いしないで』ってキレられた」という、あるママの体験談もありました。この旦那さんの反応は、まっとうな大人の反応ですよね。

アドバイスと、体験談を語ることは種類が違うので注意

ちなみに、「夫育て」を人に要求するのはマンガに描いたような理由で問題ですが、実際には、「夫にこういうふうに接したら家事育児スキルがあがった、分担が進んだ」という事例はたくさんあります。なので、「夫育て(という言い方の賛否はともかく)」をいち体験談として発信するのはまだアリだとも思うのです。

『ほしいのは「つかれない家族」 ワンオペ家事&育児に絶望した私が見つけた家族のシアワセ』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

つまり、人に「夫を育てろ、褒めろ、やさしくしろ」とアドバイスするのと、「うちはほめてのばした」といち体験談として語るのは似ているようで全然種類が違うということ。ここを混ぜるのは危険です。

考えてみると、育児や夫婦関係って、「体験談として語るのはアリ、でも人に押し付けると問題が起きやすい」ということがたくさんありますよね。以前描いた「ねんトレメソッド事情」(記事はこちら)や「育児と仕事とどちらが大変か論争」(記事はこちら)も同じでした。とはいえ、成功体験を持つと、よかれと思ってアドバイスしてしまう気持ちもよくわかるし、私だってやってしまって反省したこともあります……。なので、今回も自戒も込めて描いてみました。

というわけで、今回のつかれないヒントは……

家事育児を手伝ってもほめたり優しくしてくれないパートナーにつかれた

パートナーは心身がギリギリの状態で
優しく指導どころじゃない状態ないのかも?
そもそも、あなたはパートナーの家事育児を
いつもほめたり感謝したりしてますか?
この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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