意外!「時計の読み方」でつまずく小1が多いなぜ 「日常生活で自然に覚える」ことはあまりない

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また、中学受験を考えているご家庭なら、受験算数の特殊算である「時計算」をマスターするためにも、「時刻と時間」は確実におさえておきたい単元といえるでしょう。時計算とは、例えば「3時と4時の間で、長針と短針が重なるのは3時何分ですか」などの問題をいいます。

話がそれますが、気になる方のために「3時と4時の間で、長針と短針が重なる時刻」の求め方について解説します。まず、長針は1時間(=60分)で、時計を一回り(360°)するので、1分間に、(360÷60=)6°回ります。

一方、短針は12時間(=720分)で、時計を一回り(360°)するので、1分間に、(360÷720=)0.5°回ります。

3時ちょうどの時点では、長針(文字盤の12をさす)と短針(文字盤の3をさす)のつくる角度は、直角(90°)です。長針のほうが短針より速く回るので、3時ちょうどの時点から、長針が短針にどんどん近づいていきます。その結果、重なる時刻を求めればよいわけです。

親もきちんと準備をして教えることが重要

長針は1分間に6°回り、短針は1分間に0.5°回ることは、すでに述べました。つまり、長針は短針に、1分間に(6-0.5=)5.5°ずつ近づきます。

3時ちょうどの時点で90°離れていた、長針と短針が、1分間に5.5°ずつ近づくのですから、「90÷5.5」を計算すれば、3時何分に重なるかが求められます。「90÷5.5」を計算すると、分数の180/11(=16と4/11)になります。だから、答えは「3時16と4/11分」です。3時16分と17分の間に、長針と短針が重なるということですね。

話を戻しましょう。冒頭に挙げた、低学年に習う算数の、ほかの単元についても、教える前に手順を把握しておくことが大事です。

『小学校1・2・3年生の算数が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

親が教える前に確実に把握しておけば、子どもにスムーズに教えられます。逆に、親が「わかっている」と思いこんで、ぶっつけ本番で教えると、子どもの理解がうまく進まないことが多いものです。

準備をしなければ、教えるのに余計に時間がかかり、その結果、親子間のコミュニケーションがぎくしゃくすることさえあります。

「教える前に準備するほど時間がない」という方もいると思いますが、「急がば回れ」で教える前のひと手間を大切にすることをおすすめします。

小杉 拓也 東大卒算数・数学プロ講師、志進ゼミナール塾長

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こすぎ たくや / Takuya Kosugi

東大卒算数・数学プロ講師、志進ゼミナール塾長。東大在学時から、プロ家庭教師、SAPIXグループの個別指導塾などで指導経験を積み、常にキャンセル待ちの人気講師として活躍。現在は、自身で立ち上げた中学・高校受験の個別指導塾「志進ゼミナール」で生徒の指導を行う。毎年難関校に合格者を輩出。指導教科は小学校と中学校の全科目で、暗算法の開発や研究にも力を入れている。数学が苦手な生徒の偏差値を18上げて、難関高校(偏差値60台)に合格させるなど、成績を飛躍的に伸ばす手腕に定評がある。おもな著書に、『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本』や、『中学校3年間の数学が1冊でしっかりわかる本』(ともにかんき出版)などがある。
 

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