名ばかり大学生 日本型教育制度の終焉 河本敏浩著 ~絶望的な学力格差解消のために「義務教育修了資格」制度を導入せよ


本書はこの現状を「日本型教育制度の終焉」と結論づけた上で、建設的な提言を行っている。それは義務教育修了の資格試験だ。一部の上位人材を除く多くの中高生、大学生に学びの意欲がないのは、学ぶ必要がないからだ。だれでも大学に行ける。そこで義務教育修了資格を制度化する。

内容は中学2年までのものにし、受験機会は中学在学中から高校卒業までに取得すればいい。ただし高校卒業資格と連動している。つまりこの義務教育修了資格を持っていないと大学に進学できない。

中学2年までの内容でも完全に履修できていれば、高校での学習に著しい効果があるはずだ。また社会全体にとって、若者すべてが、少なくとも読み書き計算ができるようになるなら、未来への大きな推進力になるはずだ。

以上に紹介したのは本書の一部に過ぎない。多くの仮説が実証的に検証され、一つひとつの仮説が魅力的だ。採用、教育にかかわっている人事担当者にお勧めしたい一冊だ。

(HRプロ嘱託研究員:佃光博=東洋経済HRオンライン)

光文社新書 777円

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