石破氏に秋波も!菅氏が「勉強会」発足へ今動く訳 自民党の冷や飯組の"駆け込み寺"になる可能性

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そこで注目されるのが参加議員の顔ぶれだ。党内には、菅氏に近い無派閥衆院議員のグループ「ガネーシャの会」(15人)と、菅氏を慕う無派閥参院議員のグループ(11人)が存在する。当然、勉強会には、両グループの大半が参加するとみられている。

その一方で、菅グループ外からのさまざまな参加者も浮上。すでに菅内閣の総務相だった二階派の武田良太衆院議員が参加の意向を示し、菅氏と当選同期で2月25日に麻生派を退会したばかりの佐藤勉前総務会長と同調者数人の参加も取り沙汰されている。

また、総裁選で河野太郎現党広報本部長を支援した石破茂・元幹事長との連携も図ろうとしている。石破派解消後、同氏を中心とする党内横断的グループが3月2日に開いた初の勉強会には、ガネーシャの会のメンバーの一部が出席した。党内では「菅氏が自身の勉強会発足を見据え、石破氏に秋波を送った」(菅氏周辺)と見る向きもある。

今後の政局混迷を見据えた動き

さらに菅氏は、二階派(44人)を率いる二階俊博・元幹事長や森山派(7人)の森山裕総務会長代行との共闘も模索する。二階派幹部は「菅グループとはしっかり連携する」としており、勉強会が「党内の冷や飯組の駆け込み寺」(岸田派幹部)となれば、「ポスト岸田」をにらんだ党内反主流勢力の結集ともなり、旗頭の菅氏の影響力が高まることも間違いない。

それだけに、菅氏による勉強会発足は、今後の政局混迷を見据えた動きと受け止める向きが多い。菅氏側近は「夏の参院選で自民が予想以上に苦戦した場合、次期総裁選に向けて、岸田首相を追い落とす準備」と漏らす。

もちろん、現状では野党の分断などで「参院選は自民勝利が確実」(選挙アナリスト)との見方が多い。当然、岸田政権の基盤強化が見込まれるが、その場合でも党内横断的な菅グループが健在なら、菅氏は「党内実力者として無視できない存在」(自民長老)となる。

その一方で、最大派閥安倍派の領袖として党内ににらみをきかせる安倍晋三元首相と菅氏の連携が取りざたされることも事態を複雑にしている。

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