117クーペにベレット、いすゞ旧車が人気上昇の訳 価格高騰も穏やか、まだ買える手頃感で再注目

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117クーペのエンブレム(筆者撮影)

いすゞの旧車については、イスズスポーツだけでなく、今回の当展示会に出展したほかの旧車レストア業者でも、「近年、純正部品の需要が伸びている」といったコメントを聞いた。いすゞの古いスポーツカーに、市場が徐々に注目しはじめていることが伺える。

比較的リーズナブルに乗れる旧車として注目

その背景には、ハコスカや2000GTといった従来からのいわゆる国産ビンテージカーはもとより、最近では1980年代から2000年代前半に販売された国産スポーツカーなどの人気までもヒートアップしていることが挙げられる。とくに1989年~2002年までの日産「スカイラインGT-R(R32型・R33型・R34型)」、トヨタが1993年に発売した「スープラ(A80型)」、1991年発売のマツダ「RX-7(FD型)」などは、海外からの需要も高く、中古車価格は高騰傾向だ。さらに、これら車種の需要増は、市場におけるタマ数の減少もまねき、入手はかなり困難になってきている。

117クーペの外観(筆者撮影)

これから旧車に乗ってみたいと思うユーザーであれば、ほかの車種へ流れることは自明の理だといえよう。117クーペやベレットといったいすゞ車は、従来であれば、さほど旧車市場で人気が高い車種ではなかった。いわば、少数の愛好家が支持するマニアックなクルマだったのだ。だが、ほかの人気車種より車体価格が安く、純正部品も手に入りやすくリーズナブル。しかも、独特のスタイリッシュなフォルムも持つ。そんな魅力に気づいた愛好家たちが、一気に注目しはじめているのだろう。かつて一世を風靡した、いすゞの古いスポーツカーが、再び大きな脚光を浴びる日は、意外に近いのかもしれない。

いずれにしろ、国産旧車ブームは、対象車種が広がることで、さらに過熱することも予想される。基本的には、再生産されることがないクルマの市場だけに、いつか限界はくるであろうが、いつまで続き、今後どう変化していくのか非常に興味深い。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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