伝え方が下手な人が陥りがちな3つの「NG習慣」 大切なことは何度も繰り返し伝えることが重要

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一度で伝わらないとき、それでも伝えたいのであれば「繰り返し伝えること」が必要です。

人は基本的に話をあまり覚えていません。記憶力や集中力には個人差がありますが、人はかなりの情報を忘れてしまう、もしくは最初から聞いていません。

「エビングハウスの忘却曲線」が有名です。人は何かを記憶したとき、1時間後には6割弱を忘れているそうです。これはインプットに対しての数字なので、最初から聞いてないこともあることを考えると、ほとんどの情報は忘却側に入っているといっても過言ではないでしょう。

これだけ忘れてしまうわけですから、自分が伝えたことも相手の「忘却側」に入ってしまう可能性は十分あります。なので、伝える頻度を高めることが大切です。

たとえば、仕事の打ち合わせ。打ち合わせの内容を相手がちゃんと理解しているか不安なときは打ち合わせの最後の5分を使って、その日打ち合わせた内容をあらためて相手に話してもらうといいでしょう。

「打ち合わせたこと確認」で大切なのは、「伝わっているかどうか不安な人」に話してもらうこと。自分の中で理解、納得できていないことはうまく相手に伝えることができないので、何が伝わり、何が伝わっていないか、確認することができます。

大切なことは何度も何度も繰り返し伝える

3つめのNG習慣は「言わなくてもわかっているはず」です。これも大きな勘違いです。

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日頃一緒に仕事や生活をしていると、お互いにこういう感情が生まれやすくなります。

「言わなくてもわかっているはず」

「このことは共有できているはず」

でも、実際はそこまで共有できていない、わかりあえていないこともよくあります。たとえ相手が以前は理解をしたことであっても、時間が経てば忘れているかもしれませんし、考えが変わっているかもしれません。ですから、面倒に思えても、大切なことは何度も何度も繰り返し伝えていくことが必要です。

その際も、伝わる構造の理解と伝わる技術の習得が武器になってくれるはずです。ぜひ、インプットしてください。

柿内 尚文 編集者

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かきうち たかふみ / Takafumi Kakiuchi

1968年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。現在、株式会社アスコム取締役。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。特に実用書のジャンルで数々のヒットを生み出している。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。著書に『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』(かんき出版)がある。

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