大阪カジノ・事業会社撤退条項にはらむ大リスク 国も大阪も取らぬ狸の皮算用にならないか

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大阪はどうするのか。府市の当局者に聞いてみようと、2022年2月に予定されていた説明会に参加登録したが、コロナを理由に一方的に中止された。代わりにメールで質問を受け付けるというので聞いてみた。すると以下の答えが返ってきた。

「いわゆるジャンケットが行っている行為について(略)日本においては、免許を受けたカジノ事業者以外がカジノ行為を行うこと、カジノ施設内でカジノ事業者以外が貸し付けを行うこと、カジノ事業者が顧客以外への貸し付けを行うことはすべて禁止されています」

ジャンケットの主な機能を否定しており、排除方針を明確にしている。とすればハイローラーを呼び込む特別な手立てはなく、一般大衆を主な顧客としてするということだろう。

入場料6000円で通う人がいるか

MGMが撤退したベトナムと違い、日本では邦人もカジノに入ることができる。ただし6000円の入場料が必要だ。単にギャンブルをするなら 競輪競馬ボートレースとよりどりみどり、事実上の賭場であるパチンコ屋がどこの駅前にもある日本で、JR大阪駅から15㎞以上離れたカジノにわざわざ入場料を払って足しげく通う人がどれだけいるか。

外国人観光客にしても、京都、奈良、大阪・道頓堀の観光を目当てに来た人がわざわざ足を延ばすか、疑問である。

外国為替法上、100万円以上を海外から持ち込む場合、申告が必要である。カジノに絡む税制や外為法を含めた法改正はこれからだが、そもそも大きな金を外国から持ち込んでばくちをする仕組みが日本にはないのだ。

そうした諸条件を考えると、マカオの巨大カジノ並みの売り上げをどうやって達成するのか、道筋が見えない。それでも世界的なカジノ業者のMGMとオリックスであれば、採算の見通しがあるのだろうと私は想像していた。しかしながら基本協定を読む限り、事業会社は今後収支やコロナなどの諸情勢を分析し、撤退も選択肢に入れながら日本政府や大阪府市と交渉して有利な条件を引き出そうとしているようにみえる。

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