写真が語る「キエフの地下鉄駅」信じがたい光景 女性や子ども1万5000人が寝泊まりしている
戦争が始まって7日目、ロシア政府の戦争計画は依然として不透明だ。戦車、大砲、装甲兵員輸送車などの重火器がキエフ(避難民が流出する前の人口は約280万人)に向かって移動しており、血なまぐさい街頭戦闘の深刻な前触れを呈している。
あるいはその代わりに、ロシアは、正面攻撃による破壊と殺戮をせずに抵抗を断ち切ることを期待して、食料、水、弾薬の補給の遮断と砲撃を続ける、徹底的な包囲に踏み切るかもしれない。
いずれにせよ、すでに厳しいものとなっているキエフの地下での生活は、さらに困難を極める可能性が高い。
ロシア軍の侵攻に備えるキエフ
地上では、つい数日前にライフルを手渡されたウクライナ兵やボランティアらが、ロシア軍の到着に備えて忙しく動き回っていた。
ほぼすべての通りで、その準備が見て取れた。コンクリートの障壁が道路を塞ぎ、煙幕を作るために燃やされるタイヤが至る所に置かれ、2日には新たな展開として、対戦車地雷を警告する看板が、一般車両が通行できない道路に点在するように急遽設置された。
弾丸で穴だらけになったSUVが、民間ボランティアらが配置された検問所近くの道路脇に放置されていた。どうやら、ロシアの破壊工作員を乗せているのではないかという疑惑が生じた後のようだ。
冷たく、水っぽい雪が降り、郊外からは鈍い爆発音が聞こえた。
キエフではほとんどの市民がアパートにとどまっているが、そのうち何千人もの人々が地下鉄に避難し、上空の危険から身を隠すことを選んだ。彼らは、あらゆる年齢の女性と子どもらが、地上の戦闘に参加するには年を取りすぎた男性らとともに、窮屈な共同生活を何日も送っている。
獣医のオルハ・コヴァルチュク(45)と、大学で生態学を学んでいる娘のオクサナ(18)はドロホジチ駅で、羨望の的となっている木のベンチに交代で眠っている。「ここは私たちのスペースです」とコヴァルチュクは言う。
近くには、急ごしらえで設けられた携帯電話の充電ステーションがあり、人々はそこに集まっていた。幸いなことに、この地下鉄には設備が整った公衆トイレがある。